COVID19下でのスタートアップイベントーTECHSPARKS2020その2

COVID19下でのスタートアップイベントーTECHSPARKS2020その2

COVID19の流行により、対面でのイベント開催が憚られるようになってしまったので、スタートアップのイベントも軒並みオンラインへ移行しています。

前回の記事で紹介した、YOURSTORYのTECHSPARKSもフルオンラインでの開催となりました。

今回はオンライン開催でのTECHSPARKSがどんなものだったか概要をレポートします。

1.Master Class(VIPによるレクチャー)

TECHSPARKSはMaster Class(スピーカーによる講義かYOURSTORY創業者のMs.Shradha Sharmaとの対話形式 )、Firesidechat(特定のお題に対して複数のスピーカーが議論する形式)Keynote Speech(VIPによるメッセージ)といったコンテンツがあり、スケジュールの定刻になったら録画されたコンテンツが順次配信されていくという形式でした。

例えば、以下のAmazonAWSインド責任者Mr. Puneatによる講義”The time to start up is now”はコンパクトになぜこのタイミングでスタートアップするのがよくて、どんな風に立ち上げていくのが適切でそのためにAWS(アマゾンウェブサービス)は何ができるかを講義していました。

YOURSTORY TECHSPARKS MASTER CLASS AmazonAWSインド責任者Mr. Puneatによる講義”The time to start up is now”筆者撮影、抜粋

AmazonAWSインド責任者Mr. Puneatによる講義”The time to start up is now”(要旨抜粋)

■なぜ今スタートアップなのか?:

テクノロジーやクラウドの発達によりスタートアップ立ち上げに係る初期費用が減少しており、スタートアップ向けファンドも物量が増えている。

顧客を満足させることができれば加速度的に規模を獲得することができる。

■どうやってスタートアップを始めるのがよいか?:

AMAZONの事例を出して、「特定の顧客の志向や行動様式」を徹底的に分析して彼らのペインポイントに刺さるサービスを作るべき。

仮説を早く立てて早めに検証していってモデルを昇華させていく。

■スタートアップにとってのAWSの効用(メリット):

初期コストの削減、安価での実証タイミングの増加

【当日スケジュールの凡例】

YOURSTORY TECHSPARKS 当日スケジュール、筆者撮影

2.国際色豊かなスピーカー

TECHSPARKSはインドからのスピーカーのみならず、インド国外からもスピーカーや展示を招いてコンテンツを形成しています。

去年に続いて日本も日系スタートアップブースをJETRO経由で出展しつつ、日系スタートアップによるピッチを実施しました。

日本に加えて、イギリスとドイツもコンテンツを提供しており、ドイツはドイツ系スタートアップによるピッチと講演、イギリスは毎日会期中何らかのセミナーやパネルディスカッションを実施しており、かなり力を入れているようでした。

TECHSPARKS, 新任ドイツ総領事Mr.Achim, “Fostering Indo-German Startup Collaborations: Role of Governments” 講義より抜粋、筆者撮影

新任在ベンガルールドイツ総領事のコメントの中で印象的だったのはイノベーション連携としてのインド重視のコメントです。

例えば、「総領事館として、両国のCatalyst(触媒)となってドイツとインドのギャップを埋めてお互いのエコシステムを盛り上げていきたい。」、「COVID19で大変な時期が続いているけど、インドードイツの間でスタートアップの往来は続けていきたい」、「ドイツからもスタートアップを新規に進出させるプログラムも走らせつつあるのでより相互交流を深めていきたい。」といったインド重視の発言が多くみられました。

ドイツもボッシュを筆頭にBMWやメルセデスがR&D部隊をベンガルールに投入しているので、総領事館の役割としてもイノベーション開拓の先駆け・交渉役として機能していると推察できます。

3.TECHSPARKS目玉のTECH30も全てオンラインピッチに!

TECHSPARKSの目玉といえば、選抜されたTECH30によるステージ上でのピッチでしたが、今年は残念ながらオンラインでの実施となりました。

何社か抜粋してみましょう。

Aritna社:電子カルテ入力時間削減、医療事務削減のための病院向けSaasサービス

TECH30ピッチ、筆者撮影

Electronic Health Record(電子健康記録)の入力に時間がかかりすぎて、医者の本来業務である診療に時間が掛かっていないという点に着眼して電子カルテを検索しやすくして、過去の症例と照らし合わせて医者に入力しやすくするとともに、可視化することでより早く電子カルテ入力を促すというモデルで利用した分だけチャージが変わるようです。

日本でも電子カルテ導入のDX課題がありましたが、インドでも似た事例が頻発しているようです。

Blackfrog Technologies社:ワクチン低温輸送のためのコールドチェーンデバイス製造

TECH30ピッチ、筆者撮影

インドのコールドチェーンは穴(道路の未整備、電力不足)があり、厳格な低温輸送が求められるワクチン輸送には適しておらず、郊外(田舎)に必要なワクチンや血液が届かないという問題があります。その問題を解決するために、バッテリー付きかつ持ち運び可能な低温デバイスEmvolioを作っています。

特許取得の急速冷却技術により、ワクチンを2~8度の最適温度で保存することができます。

都市部と郊外(田舎)のインフラ格差に起因する医療格差、というインドで重い社会課題にフォーカスしているサービスと言えるでしょう。

次回の記事ではTech30によりスポットを当ててTechsparks2020をレポートしていきます!

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