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COVID19下でのスタートアップイベントーTECHSPARKS2020その1

2021年1月6日

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COVID19下でのスタートアップイベントーTECHSPARKS2020その1

前回の記事では、インドを代表するスタートアップメディアであるYOURSTORYの紹介をしましたが、今回はそのYOURSTORYが年次の冠イベントとして実施している「TECHSPARKS2020」について、その歴史とオンライン環境下での実施状況についてご紹介します。

1.TECHSPARKSとは

TECHSPARKS特設ページより抜粋

TECHPARKSは2010年から実施されている大規模エコシステムイベントです。年を重ねるごとにその規模は拡大していき、TechSparksは、新興のビジネスリーダー、企業幹部が参加するベンチマークプラットフォームとなりつつあります。イベントには政府関係者、投資家(VC,CVC)、企業、アクセラレーター、スタートアップ、メディア関係者が一堂に会して、議論、討論、アイデアの開発、ピッチ等の活動を実施しています。

YOURSTORYのミッションであるインドのテクノロジー、イノベーション、起業家精神の物語を構築し、形にしていく具体的な場となっていると言えるでしょう。

【過去の実績(2019年時点)】

YOURSTORY提供資料から抜粋

今年の実績としては、以下のYOURSTORYからのメールが示しているように、オンラインで10万人以上、300社以上の参加があったようです。過去の実績と比較すると、過去数年間の実績がたった1回のオンラインイベントで達成してしまったようです。

【YOURSTORYからのメール抜粋】

TechSparks 2020 was immersive, inspiring and exciting. This was the biggest online gathering of entrepreneurs, policymakers, technologists, investors, mentors, and business leaders. Over the course of five days, we got to hear from 300+ distinguished speakers. We had over 100,000 people attending the virtual event, andgetting a ringside view of all the action from the startup ecosystem, both in India and overseas.

(YOURSTORYからのメールを抜粋)

TECHSPARKSが優れているのは、Tech30と呼ばれる選抜式ピッチイベントがあるからと謂れています。このピッチは数多くのアーリーステージのスタートアップから選抜されたスタートアップ30社が投資家や企業の前でピッチを実施するというものです。フォーマットが確り定まっており3分を割った瞬間にマイクを切る等厳格な運用が実施されています。プレゼンターが話過ぎてしまい、時間がオーバーする状態は滅多にないです。このピッチだけで数千万円から数億円の投資マネーが動くと言われています。

更に、インドのみならず、イギリス、ドイツ、日本といった他の国からの出展やスタートアップのピッチもあり、国際色豊かなエコシステムイベントとなっております。2020年はイギリスは毎日特設コーナーにてイベントを実施したり、日本とドイツはスタートアップの特設パビリオンを設けてスタートアップを紹介していました。

オフライン状況下でのTECHSPARKS会場、筆者が2019年に撮影

2.オンライン環境下での実施状況

2020年のTECHSPARKSはCOVID19影響もあり、全てオンラインでの開催となりました。オンラインプラットフォームのHubiloというサービスを活用してオンラインでセッション聴講、ピッチ、交流ができました。

【セッション概観】

Hubiloプラットフォームより筆者抜粋

【セッションの様子】

ラタン=タタ氏によるクロージングリマーク、Hubiloプラットフォームより筆者抜粋

Tech30による個別ピッチセッション、筆者による撮影、ピッチしている企業はPixxel

3.参加してみての所感

オンライン開催ということで、各セッションの被りがあったとしても後でアーカイブを見ればいいので、コンテンツを何回も反芻することができてインプットしやすいと感じました。特にMaster Classと呼称される業界のエキスパートによる講習は示唆に富むものが多く、何度でも繰り返し聞きたいので、有難いです。

しかし、コンテンツが何回も反芻できる反面、オフライン対面で発生する偶発的な出会いが激減してしまったように感じられます。スピーカーに対してエレベータピッチする機会や対面でエコシステムの人々に挨拶したりする場がないのは、状況が状況なので仕方ないと感じました。

オンラインMTGについてもプラットフォーム上で完結できるので、時間を区切ればいちいち移動せずに済むので、リード等を作るのには適していると感じました。ただ、初対面の人と信頼関係を醸成するのにはやはり対面の方が早いと感じてしまうときもあります。笑

TECHSPARKSの概略に関しては以上で、次回から何回に分けてイベントレポートをお届けします!

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